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雑板屋の脳内思考

映評・書評のブログです
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「心理試験 他6編」江戸川乱歩
37ba8ef0.gif【軽快な会話と秀逸なグロテスク】 

日本を代表する推理作家、偉大なる江戸川乱歩の小説。
表題作「心理試験」、乱歩デビュー作「二銭銅貨」を含む全7編の短編集である。


・心理試験
・二銭銅貨
・二廃人
・一枚の切符
・百面相役者
・石榴
・芋虫

短編集であるが、一作読み終える度になかなか次へは読み進めないでいた。
作品ひとつひとつに重みを感じるからだろうか・・・。
余韻に浸りたい、あるいはもう1度頭の中を整理したい気分になるからだろうか・・・。

時代こそ違えど、話の内容は新鮮でかなり濃密である。
軽快な会話と、秀逸なグロテスクの表現は背筋に悪寒が走るような心地悪さがある。
それらは誠に好みの作風で、「石榴」の中に登場する硫酸事件の被害者欺瞞の顔のつぶれた様や、「芋虫」に登場する戦争犠牲者である四肢のない元中尉の様・・・。

偉大なる乱歩の傑作集「心理試験 他6編」
うだる暑さの夏の夜に、じっくり読み耽るのもこれまた乙である。

| ゆきち | 作家 あ行 | 05:33 | comments(0) | trackbacks(2) |
「自由殺人」大石圭
【走れ葉子!とにかく走れ!】 

角川ホラー文庫 大石圭氏です。
大石氏の著書は初めて読みます。
タイトルの「自由殺人」・・これに惹かれて読書意欲が沸き、手にとってみたのでした。

一言、爆弾テロものです。
性別も年齢もランダムに選ばれた数人の人間が、人を容易に殺せる爆弾を手にしたとき、果たして人はその武器をどちらに選択するだろうか?
爆弾を 使う?使わない?
人を 殺す?殺さない?

物語のメインの女性 朝香葉子は、元マラソンランナーだ。
彼女も爆弾を送りつけられた人間の一人。
爆弾のプレゼントの送り主との熾烈な戦いが待ち受けているのだが・・・。

話の展開が、悠長な気がしました。
緊迫感は伝わってこず、爆弾を送りつけられた人間のドラマ重視のような、ホラーやサスペンスとはまた違った要素を持っているように感じました。
なので随所に浮遊する内心の退屈感は否めず。

以前‘お前に本気の殺意さえ抱くことがある’と真顔で言われたことを思い出しました。
およそ誰にでも多かれ少なかれ持ち得ているだろうと個人的に思う、内在する‘殺意’
その‘殺意’を正直に告白されたことに心底の歓びを感じたことを、さらに告白すると正直、引かれました。

この小説は、一人一人の善と悪が常に戦っています。
そんなことを漠然と感じました。

クリスマスやクリスマス・イブが命日だったり、誕生日だったりする人間も大勢いるだろうし、クリスマス・イブに街のイルミネーションが消えうせたっていいじゃないか!と笑いながら思う人間も少なくとも一人はここにいるし。

所詮は他人事・・・
そんな悲しい思いだけが残った読後感でした。

自由殺人「自由殺人」大石圭
| ゆきち | 作家 あ行 | 04:22 | comments(0) | trackbacks(2) |
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