blog index

雑板屋の脳内思考

映評・書評のブログです
<< 「インサイド・マン」 | main | 「ぼくは偏食人間」中島義道 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
「宿命」東野圭吾
〜見えない糸が見えたとき〜 

読み終えた直後、大きな溜息が漏れた。
「宿命」というタイトルの重みと、ずっともつれて引っ掛かったままの見えない糸が、上手く綺麗にさっぱりほぐれた時・・その意外性に驚きと動揺を隠せなかった。

家庭の財力や環境は違えど、勉学・スポーツとありとあらゆる物事が幼少の頃からの宿敵であった二人の男と、一人の女性の関係から始まり、周囲の複雑な人間模様やそれに関る殺人事件・・・それらの一つ一つの密接な関係と謎を一刻も早く読み解きたくなる衝動に駆られた。

物語の流れも、とてもいいテンポで話が進む・・・。

自分なりに先の予測も適度に考えながら、謎を解こうとするけれど、なかなか上手く合点がいかない。
やはり東野作品、そんな単純なわけにはいかないのだ。

中心になる一人の女性、美佐子の存在は同性としても唯一共感の出来る人物であった。特に家庭を持つ妻となってから、心から夫を信頼し愛したいと願う彼女の心の寂しさと孤独が痛く伝わってくる。
自室に鍵をかけ、妻に立ち入らせない夫など、もはや夫ではない!
激しい怒りも、そのときは瞬時に湧きもしたけれど・・・。

主人公で刑事の勇作も、生涯の彼のライバルで医者になった晃彦も、共に大きな運命を背負っている。
それを理解したとき、最後のセリフがあまりにも粋な締めセリフでつい思わず繰り返して読んでいた。

そして大きな溜息・・・。

東野氏の作品を読むと、素直な気持ちでよく思うことがある。
これだけ面白いものを書けるというのは、書く側も楽しくて仕方が無いのでは?
それには、人物構成や繊細で緻密な物語のプロットも作り上げていくのにはそれなりの並大抵の努力と労力を費やすことだろうが、丹精込めて作り上げた作品を愛おしく想う気持ちは、計り知れないと思う。
読者としては、面白くて読みふけってしまう作品に巡り会う事は大変喜ばしく光栄なことだ・・。

「宿命」・・まさに宿命!うん、いいタイトルだ。

宿命
| ゆきち | 東野圭吾 | 07:05 | comments(2) | trackbacks(3) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 07:05 | - | - |
コメント
今晩は!

こちらのほうが安定してるようなのでこちらにTBさせても
らいました。
東野作品は最後の最後まで気が抜けないので読み応えがあ
ります。
事件が解決しても必ず+アルファーがあってビックリさせられます
この作品のラストなんてビックリでした。
なるほ「宿命」かと感心したよ

ドラマは私は見ません、東野作品を映画化ドラマ化するのを
不愉快に思ってるから・・・彼の作品は安易に映像化され
たくないです。
| せつら | 2006/06/18 7:01 PM |
☆せつらさん
こちらへのトラバ&コメントありがとうございます!
東野作品、そういえばやたら映像化されてますよね。
既読本の映像化をまともには見てないんですけど、「白夜行」の連ドラは全ての録画分が手元にありますが、まだ途中です(笑
「宿命」はまだまだ新鮮で私個人にとっては斬新な最後の締めセリフでした。
あのテの終わり方ってなかなかできませんよね(笑


| ゆきち | 2006/06/20 4:38 AM |
コメントする


この記事のトラックバックURL
http://yukichi13.jugem.jp/trackback/32
「宿命」東野圭吾
〜見えない糸が見えたとき〜  読み終えた直後、大きな溜息が漏れた。 「宿命」というタイトルの重みと、ずっともつれて引っ掛かったままの見えない糸が、上手く綺麗にさっぱりほぐれた時・・その意外性に驚きと動揺を隠せなかった。 家庭の財力や環境は違えど
| 雑板屋 | 2006/06/17 7:08 AM |
『宿命』 著者:東野圭吾
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は 苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに 現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫と なっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき 余
| La.La.La Book's | 2006/06/18 6:57 PM |
宿命
現代脳医学がどこまで進歩しているかについては諸説あるだろうが、 「宿命」で行われた手術は過去に大きな問題を提起したロボトミー手術を参考にしているようだ。 さてこの本、幼いころからのライバルとしていた相手と再び対峙する時、それは殺人の容疑者と刑事と言
| 本を読もう | 2007/03/23 10:30 AM |
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

bolg index このページの先頭へ